
京都に戻ってみたら予想以上の何かが我が胸を襲った

こないだバイトに行く前に文庫本を四冊ほど購入しました。
全て宮本輝の本です。
今回紹介する「約束の冬」もその中の一つ(上下巻だから正確には二つ?)。
…そういや今までブログに投稿するのに「宮本輝」を誤って「宮元輝」と変換してた…
尊敬する人なのに名前を間違えるなんて失礼極まりない。
ここにお詫び申し上げます。
この小説は1章ごとに主人公が入れ替わる形式。
宮本輝の小説ではよく使われる形式ですね。
中には「葡萄と郷愁」みたいに平行しているだけで主人公何の関係もないと言うものもありますが、
大体は次第に近づいていきます。
この「約束の冬」も主人公である氷見留美子と上原桂二郎が次第に近づいていきます。
と言っても二人が恋愛関係になるのではなく、
留美子と桂二郎の息子の「約束」をめぐって物語が展開されます。
では目に留まった部分を紹介いたしましょう。
106ページ、「何のために働いているのか」という問いに対する桂二郎の考え。
与えられた自分の生が尽きるまで生きなければならない
生まれたからには生きなければならない。
「何のために生きるのか?」と問われれば答えは色々あるだろうが、
「何のために働くのか?」と問われればつまるところこの答えになるのではなかろうか?
398ページ、ここは具体的にどんな文章がよかったというのではなく、
登場人物の一人が読むべきと薦められた本を列挙しているところ。
我が読む本を決定するためのものともなります。
特に海外の文学なんかはあまりすすんで読む気にもならないので、
こういう形で薦められるのは我にはありがたいことです。
422ページ、桂二郎の息子、俊国の友人に必ず時間に1,2分遅れるやつがいるという話を受けての
俊国の会社の同僚のせりふ。
「舐めてるんだよ。人間とか人生ってものを」
これと似たようなのが
「天の夜曲」 http://blogs.yahoo.co.jp/u3098310/36312086.html でも使われてましたね。
宮本輝がよっぽど主張したいことなんだなあと思うとともに、
やはりその通りだろうなあと思います。
「約束の冬」というタイトルは留美子と俊国の約束(といっても俊国の一方的なものだが)を差しています。
しかしこの作品内ではさまざまな「約束」が交わされています。
時計を弁償するという約束…ネパールに学校を作るという約束…
それらの「約束」というものが人が生きるうえで重要なものとなりうるということを
この小説は示しているのではないでしょうか?
それぞれの「約束」がどのような結末を迎えるのか。
下巻を読了するのが楽しみです。
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